ここでは、実際に縫製機械を導入した事例をご紹介しています。各事例について、導入した縫製機械の紹介にくわえ使用用途や導入した理由、改善された点などをまとめました。 縫製工場の機械自動化で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
自動裁断機「P-CAM」
生地の裁断
ミドリ安全グループのベトナム縫製工場にて、主に日本企業に向けた各種ユニフォームを製造・販売している「ミドリアパレルベトナムホアビン」。裁断技術を備えた職人が少ない地域でも安心して生産を行えるようにするために、裁断が正確で故障トラブルも少ない島精機の自動裁断機「P-CAM」を導入しました。
製品の品質の安定化や、スケジュールどおりの量産に役立っています。
縮絨機「ITS-717」
原反生地のスポンジング(縮絨)加工
原反生地のスポンジング(縮絨)加工の効率化を図るため、ITS-717:縮絨機を導入したのが、創業150年以上の歴史を誇る株式会社ティー・エス・ロジスティックス。国内のほか、上海やカンボジア、ヨーロッパなど海外にも拠点を持ち、繊維製品の保管業務、検品・検針、物流加工業務を行なっています。
ITS-717は送り込みローラーにより素材をノーテンションで送り出したり、スチームを均一に与える機能を装備。また、熱乾燥処理の際に素材を柔らかくするバイブレーション装置とともに、素材を安定させ自動的に振りたたむ冷却装置の存在も見逃せません。
作業の効率化や素材の質を高めるさまざまな機能を搭載しているITS-717の導入により、外注費削減はもちろん、作業スピードが格段にアップ。納期の短い注文が急に入っても社内で柔軟に対応ができるようになりました。
また、ITS-717はスポンジングのスピード・蒸気量・温度も調節できることも特記事項で、素材にあったスポンジングが可能に。品質のさらなる向上につながりました。
ダイレクトドライブ高速本縫い自動糸切りソーイングシステム「DDL‐9000CF」
縫い
婦人プレタ向けなどの製品を生産しているカットソー工場「金城繊維」。縫い終わりの糸残り量を抑えて糸切り作業の低減を図るために、JUKIのデジタルミシン「ダイレクトドライブ高速本縫い自動糸切りソーイングシステムDDL‐9000CF」を15台導入しました。
糸切り作業の減少によって生まれた3人分の余剰人員をほかの作業に回すことで、工場内作業の効率化に成功。さらに、このデータを提出して「ものづくり補助金」にも採択されました。
真空式熱転写プレス機「STP-760」
転写プリント作業
各種ウェア及び各種用品のマーキング加工を手掛ける株式会社マークスは、品質・納期・工程などを含めてデジタル化を推進している企業です。グループ企業として年商11億円(2014年8月末時点)を計上しています。
マークスが転写プリント作業の効率化を図るために導入したのが、ダブルトレーや独自の真空機構など多彩な機能を搭載したイツミのSTP-760:真空式熱転写プレス機。金属やフィルムなど様々な素材への転写ができるため、生産の幅が広がりました。
また、ダブルトレー方式を採用しているこの機器は、複数枚の転写を一度に行うことができるのも特徴のひとつ。結果、プレス中に次の素材のセッティングを行えるようになり、作業効率が大幅に向上、生産性アップに繋がっています。
これまで対応できなかった大判サイズの要望にも応えられるようになり、販売チャネルの多様化にも貢献しています。
色調再現も特筆すべき事項で、独自のヒーターと6か所の温度コントロールで温度誤差を微小に抑えられるのも大きな魅力です。