縮絨機などのマシンの導入を考える際には、自社の工場に合った機械があるかどうかが重要です。
メーカーで扱っているマシンの種類数が多いと、より自分のニーズに合った機械を提案してくれるため、自分に製品の知識がなくても安心して任せられます。
ここでは、2021年7月8日時点で、日本縫製機械工業会に登録されていた取扱品目分類が「縫製関連機器」とあった企業10社と、Googleにて「縫製工場用機械」で検索して上位だった5社を合わせた計15社から、日本縫製機械工業会正会員で、縮絨機を扱う企業3社を選定。公式HPに記載されている機械の種類数が多い順に紹介します。(同数の場合は創業年数が長い順に紹介)。
※引用元:一般社団法人 日本縫製機械工業会公式HP(https://jasma.or.jp/kaiin.html)
縮絨機 | イツミ |
直本工業 |
ハシマ |
---|---|---|---|
製品取扱い数 | 8種類 | 2種類 | 1種類 |
最大縮絨能力 (m/分) |
~12 | ~9 | ~12 |
最大振りたたみ幅 (mm) |
~1800 | ~650 | ~600 |
イツミでは、設計・開発から各種加工、塗装、部品製作、組立まで、国内自社内製工場で一貫対応しています。 この体制により品質を追求した製品製造を実現しているだけでなく、小ロット(1台~)の注文にも対応が可能。
自社内製工場には設備を豊富に揃えているため、さまざまなニーズに柔軟に対応してくれます。
その製品の品質の高さから、同業他社にも製品を卸すほど。縮絨機においては、1分あたり12m、1800mmの振りたたみ幅を実現しています。
「熱の制御(熱板の温度分布、温度バランスの制御)」と「蒸気の制御(蒸気噴射のバランスや、蒸気の熱板の温度バランスの制御)」において精度の高い技術を持っている点も注目のポイントです。
これら2つの技術によって、精度の高い製品づくりのサポートができる機械の提供と耐久性の高い製品の提供に努めています。
また、1年間の充実保証に加え、オンライン(リモート)メンテナンスも提供しているなど、アフターサービスも充実。
製造からアフターサービスまで、質の高い対応をしてくれるため、安心して任せることができます。
※保証条件についての記載はありませんでした。詳細はメーカーに直接お問い合わせください。
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
ITS-717/ITS-720
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
AIS-2000S
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
ITS-SP7
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
ITS-3000
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
ITS-1800Ⅱ
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
ITS-200
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
ITS-4000
原反処理機
(スポンジングマシーン・縮絨機)
ITS-6200
直本工業は、1948年創業の歴史ある企業。創業以来、スチーム技術を活かした独創的な製品の製造を手掛けてきました。縫製業界をはじめ美容や食品、医療など幅広い分野に新しい提案を行っています。
1996年には、中国の上海にも進出。
また、別会社に、加工工程を行う会社も持っています。
縮絨機
NS-2800
縮絨機
NS-3800
ハシマは、中国やベトナムといった海外にも拠点を構えて製品製造を行っている、グローバルな企業です。革新的な製品製造に努めており、業界の世界標準を目指しています。 また、OEMにも対応しています。
芯地接着に関する簡単なトラブルなら、基本解決の情報についてWEB上で確認が行えます。
分離式スポンジングマシン
HSM-1800-Ⅱ/HSM-1800-Ⅲ
より自社に合った機器を選ぶには、以下のポイントを重視しましょう。
ラインナップされている種類数が多いと、それだけ選択肢が広がります。より自社に合った製品を提案してくれる可能性も高いと言えるでしょう。
自社工場での生産体制を整えているメーカーがおすすめです。小ロットにも対応してくれたり、希望納期に合わせてくれたりと、柔軟な対応が期待できます。
メーカーによって、技術力はさまざまです。性能の良い機械を導入するためには、どのような技術を強みにしているのかなど、しっかりチェックしましょう。熱や蒸気の技術が低い場合、仕上がりの悪さや故障につながるため要注意です。
機械の性能はもちろん、メーカーのフォロー体制も非常に重要です。 万が一故障してしまった際の保証がついているかを確認しましょう。オンラインメンテナンスなど、プラスアルファのサービスがあると、なお安心です。
生地に加熱や加湿をほどこしたり、バイブレーターで振動を与えたりして、シワやゆがみを除去し、ストレッチ性を均等にするのが縮絨機です。縮絨がしっかりと行われることで、裁断がしやすくなるほか、寸法も安定。製品の見栄えのよさにつながります。
生地に内在する縮みやゆがみ、伸びなどを解消させ、リラックスさせるための工程である「縮絨」を自動化することができます。
※製品によって機能の詳細は異なります。
スポンジングを内製にすることで外注費削減ができ、急な注文にも社内で対応ができるようになりました。スポンジングのスピード、蒸気量、温度も調節できるため、素材にあったスポンジングが可能になり、品質の向上に役立っています。
※引用元:株式会社イツミ公式HP(https://itsumi.jp/images/product/ITS-717.pdf)
自動運転であり、セット後は自動でスポンジングを行うため作業効率が上がました。温度、スピードなどの調整が可能。高品質なスポンジング商品は品質の向上に役立っています。
※引用元:株式会社イツミ公式HP(https://itsumi.jp/images/product/AIS-2000S.PDF)
各社公式HPを確認しましたが、納期についての情報は記載されていませんでした。
各社公式HPを確認しましたが、費用についての情報は記載されていませんでした。
ワイエイシイマシナリー株式会社は、創業1973年5月から続く企業です。ワイエイシイ(YAC)はそれぞれ、「Yield(産する)」「Automatic(自動)」「 Controls(制御)」の頭文字からとった社名です。大きな組織「ワイエイシイホールディングス」の一部が「ワイエイシイマシナリー株式会社」です。ワイエイシイホールディングスでは、プラズマや真空、画像処理や医療など精密研磨など様々な分野で活躍。その一部の産業機器関連事業が「ワイエイシイマシナリー株式会社」となります。
縮絨機・スポンジングマシーン
YRS-SP3
アサヒ繊維機械工業株式会社は創業1967年11月から続く歴史ある企業です。1970年7月に「縮絨機 NTSシリーズ」を発表してから、約50年も縮絨機を取り扱っています。縮絨機の他にも、「連続式接着機AFRシリーズ」「世界初の袖ぐし成形プレス機開発」など、繊維機械に関する製品を開発しています。アサヒ繊維機械工業は、独創的な発想と新製品の開発に力を入れている企業で、今後も新製品開発に日々努力をしています。
高性能連続式縮絨機
NTS-SB18
小型本格的縮絨機
NTS-201H
開放型連続式縮絨機
AIS-1800-E
開放型ミニ縮絨機
AGM-707
人の手による縫製の現場では、ベテランの職人・技術者や、その技術が重視されてきました。一方で、人件費や労働環境の安全性、品質維持などさまざまな問題を抱えているのも事実です。
こうした問題を解決してくれるのが、縫製工程の自動化です。
縫製工場における工程を自動化することで得られる3つのメリットとはどのようなものなのでしょうか。詳しくまとめました。
人の手作業が担っていた縫製工程を自動化によって期待される効果のなかでも、人件費削減によるコストダウン効果は大きいでしょう。
工程に必要だった人の手を省くことを「省力化」と呼びます。省力化が実現することで、そのぶんの工数を減らすことができ、人件費削減につながります。もちろん、後進の職人・技術者を育てるための経費も不要となるため、人材育成費用も大幅に低減。
つまり、規模の大きな工場であればあるほど、人件費削減によるコストダウン効果が大きく期待できます。
また、人員管理にかかる費用も削減できるため、生産現場以外の部門にもコストダウン効果が現れるでしょう。製造業が抱えるコスト問題に貢献するのが自動化であると言えます。
2つめのメリットは、ケガのリスクを減らしながら、人手不足の解消が期待できることです。
縫製工場では、現場への生地の搬入・搬送にともない、重量物を扱う作業が多く発生します。また、刃物や針を扱うため、赤チン災害と呼ばれる軽度の労働災害もつきものです。
こうしたケガのリスクは、熟練の職人や作業者をじゅうぶんに配置できる環境では予防できることが多いのですが、製造業では人手不足が深刻化しています。
安全性をおびやかすリスクを低減するのが、縫製の自動化です。人のかわりに機械が工程を担うことで、危険をともなう作業を人がおこなわずに済みます。安全性の高い労働環境を維持できるだけでなく、工業用ロボットによる生産には、人手不足の解消も期待できるでしょう。
機械による縫製工程の自動化による3つめのメリットは、品質を向上させ、維持することが可能になる点です。
人の手による縫製工程においては、職人や技術者の技術が製品の品質を左右することになります。そのため、熟練の職人が欠けるようなことがあれば、大きく品質が下がることも考えられるのです。
また、技術の継承も大きな問題です。人材を育成し、市場に通用する品質の製品を長期間にわたって生産しつづけるのには、多大な時間と費用を要します。
縫製工程を機械がおこなうことで、こうした問題をクリアできます。工業用ロボットを使えば、はじめから高品質な製品を生産できるためです。